ケアマネのあり方を、アップデートする。スリーエスが本気でケアマネ事業に向き合う理由 代表取締役 / 創業者 千田 桂太郎さん

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「どんな人でも、自分の人生を決められる世界」をつくる。 スリーエスはこのビジョンのもと、24時間型訪問介護サービス(定期巡回)の運営などを通じて、高齢者が住み慣れた自宅で最期まで暮らせる社会の実現を目指してきました。そして今、新たな事業の柱として本格的に取り組んでいるのが、居宅介護支援事業所「アウケアプランセンター」です。なぜ、介護サービスを提供してきた会社が、ケアマネジメントそのものに取り組むのか。そこには、定期巡回の事業を続けてきたからこそ見えてきた、介護業界の構造的な課題がありました。
代表取締役の千田さんに、ケアマネ事業に取り組む理由と、その先に描く未来について聞きました。

在宅生活を左右するのは、
サービスの「有無」だけではなかった

スリーエスはこれまで、24時間365日、高齢者の自宅を訪問して介護を提供する「定期巡回」の事業所を都内で展開してきました。
目指してきたのは、介護が必要になっても、住み慣れた自宅で暮らし続けることを選べる社会です。
しかし、事業を続けていく中で、一つのことが見えてきました。

「定期巡回というサービスを地域につくれば、それだけで在宅生活を選べる人が増えると思っていた部分がありました。でも実際には、サービスが地域にあっても、使われる地域と使われない地域がある。その違いは何なんだろうと考えるようになりました」

そこで見えてきたのが、ケアマネジャーの存在でした。
介護が必要になったとき、本人や家族の状況や希望を聞き、どのような生活を目指すのか、そのためにどの介護サービスをどう組み合わせるのかを一緒に考える。その中心にいるのがケアマネジャーです。

「介護の世界には、定期巡回に限らず、訪問介護、デイサービス、訪問看護、福祉用具など、いろいろな選択肢があります。ただ、サービスが存在しているだけでは、その人の選択肢にはなりません。本人がどう暮らしたいのかを踏まえて、選択肢を知り、組み合わせて、提案する人が必要です。そこを担っているのがケアマネジャーです」

2025年、スリーエスは杉並で居宅介護支援事業所を立ち上げました。
すると、自社のケアマネジャーが担当する利用者の中では、定期巡回を利用する割合が、それまでと比べて大きく高まりました。

「もちろん、自社のサービスを使うように誘導したわけではありません。ただ、定期巡回がどういう人に向いているのか、どう使えば在宅生活を支えられるのかを日常的に知ることのできる環境にいると、必要な人に自然と提案されるようになる。そこで改めて、ケアマネジメントがその人の生活の選択肢に与える影響の大きさを実感しました」

介護サービスを増やすだけでは、社会は変わらない。
一人ひとりに合った選択肢が届くためには、その手前にあるケアマネジメントそのものを変えていく必要がある。
それが、スリーエスがケアマネ事業に本格的に取り組み始めた理由です。

ケアマネジャーが、本来の仕事に
時間を使えるようにする

一方で、現在のケアマネジャーの業務環境には大きな課題もあります。
利用者や家族との面談だけでなく、ケアプランの作成、記録、各事業者との連絡調整、行政への対応など、膨大な業務を担っています。

「僕らが実際に事業所を運営してみて改めて感じたのは、ケアマネジャーの仕事には、まだかなり多くのアナログな事務作業が残っているということです。記録をつくったり、情報を転記したり、電話やFAXで連絡したりすることに、相当な時間を使わざるをえません」

本来、ケアマネジャーの専門性が最も発揮されるのは、そこではないと千田さんは考えています。

「大事なのは、その人がどういう生活をしたいのかを理解して、そのために何ができるのかを考えることだと思っています。本人や家族と話したり、いろいろなサービスを知ったり、難しいケースについてチームで考えたりする。そこにもっと時間を使える状態をつくりたいんです」

その実現を大きく後押しすると考えているのが、AIです。

「今まで人がやるしかなかった記録や書類作成のかなりの部分を、AIが支援できるようになってきました。これはケアマネジャーをAIに置き換えたいという話ではありません。むしろ逆で、人がやるべき仕事に、もっと人が集中できるようにしたい。そのためにテクノロジーを使いたいと思っています」

ケアマネ不足は、
介護サービス全体の問題になる

ケアマネジャーの働き方を変える必要性は、今後さらに高まっていきます。
高齢者人口が増加する一方、介護を支える側の人材不足は深刻化しています。ケアマネジャーも例外ではありません。

「ケアマネジャーが足りないというのは、単に一つの職種の人手不足ではないんです。今の介護保険制度では、基本的にケアマネジャーが間に入ってケアプランをつくり、さまざまなサービスにつないでいます。つまり、ここが詰まると、その先にある訪問介護やデイサービスなどが存在していても、必要な人にサービスが届かなくなってしまう」

だからこそ、ケアマネジャー一人ひとりが無理をすることで制度を支えるのではなく、仕事の仕組みそのものを変える必要があります。

「今いるケアマネジャーの方々に、もっと頑張ってくださいと言って解決する問題ではありません。テクノロジーを使うこともそうですし、チームで支えることもそうです。ケアマネジメントの仕事そのものを再設計して、一人ひとりがより力を発揮できる環境をつくる必要があると思っています」

スリーエスが目指しているのは、単なる業務効率化ではありません。
ケアマネジャーの働き方を変えることで、これからも必要な人に介護サービスが届き続ける仕組みそのものをつくろうとしています。

ケアマネジャーを、ひとりにしない

働き方を変えるうえで、アウケアプランセンターがAIやデジタル化と同じくらい大切にしていることがあります。
それが、「ケアマネジャーをひとりにしない」ということです。

「ケアマネジャーは、すごく影響力の大きな仕事だと思っています。何を聞いて、何を伝えて、何を提案するかによって、その人がこれからどこで、どう暮らすのかが変わることもある。責任も大きいですし、だからこそ面白い仕事でもあります」

本人の希望と家族の希望が異なることもあれば、簡単には答えの出ないケースもあります。
にもかかわらず、従来のケアマネジャーの働き方は、一人で多くの利用者を担当し、一人で判断を抱え込みやすい構造になっています。
アウケアプランセンターでは、複数のケアマネジャーがチームとして働き、日常的にケースを共有します。
さらに、事業所のマネージャーとの1on1やSlackでの相談、必要に応じた訪問への同行など、ケアマネジャーだけで問題を抱え込まない仕組みを整えています。

「ケアマネジャー同士だけではなく、マネージャーのような“斜めの関係”があることも大事だと思っています。難しいことがあったときに、『これは自分で何とかしなければいけない』ではなくて、普通に相談できる。管理者についても同じで、管理者同士で相談できる場をつくっています。ケアマネも管理者も、ひとりにしない組織にしたいと思っています」

「前向き」なチームでありたい

アウケアプランセンターの雰囲気について尋ねると、千田さんは「前向きということに尽きます」と話します。
フルフレックスやリモートワークなど、柔軟な働き方を取り入れており、子育てや家族の介護と仕事を両立しているメンバーもいます。
一方で、スリーエスが求めているのは、最初からITに詳しい人ではありません。

「新しいツールに最初から詳しい必要は全然ないと思っています。実際、最初はパソコン教室みたいになることもあります(笑)。ただ、『今までこうだったから、このままでいい』ではなくて、新しいやり方を試してみようと思えることは大事です」

ケアマネジャーの経験や専門性と、新しい技術。
どちらか一方を優先するのではなく、両方を組み合わせながら、新しい仕事のあり方をつくっていくことを目指しています。

「現場のことを一番知っているのは、実際にケアマネジャーとして働いている皆さんです。だから会社がつくった仕組みに合わせてもらうというより、現場から『ここが使いにくい』『こうなったらもっといい』と意見を出してもらって、一緒につくっていきたいと思っています」

ケアマネジメントを、
もっと生活に近いものに

スリーエスが目指しているのは、ケアマネ事業所をたくさんつくることではありません。
その先にあるのは、ケアマネジメントのあり方そのものを変えていくことです。

「僕らのビジョンは、『どんな人でも、自分の人生を決められる世界』です。介護が必要になったからといって、急に人生の選択肢がなくなるわけではない。『できれば家で暮らしたい』『近所の喫茶店にこれからも行きたい』『家族との時間を大切にしたい』。そういう一人ひとりの希望から、介護を考えられるようにしたいんです」

そのためには、介護保険サービスの組み合わせを考えるだけでは十分ではありません。
本人がどんな生活を送りたいのか。そのために、介護、医療、家族、地域、そして介護保険外のさまざまなサービスをどう組み合わせるのか。
より生活全体に近いところで意思決定を支える存在へ、ケアマネジメントを変えていきたいと考えています。

「将来的には、介護保険の中だけを考える存在ではなくて、高齢者や家族が困ったときに『まずここに相談してみよう』と思ってもらえる存在になりたいです。地域にこの事業所があることで、本人も家族も少し安心できる。『ここに頼れば何とかなる』と思ってもらえるような場所をつくりたいですね」

ケアマネジャーにとっての
「希望の象徴」をつくりたい

その未来を実現するうえで、千田さんが大切にしていることがあります。
利用者にとって良いサービスであるだけではなく、そこで働く人にとっても良い会社であることです。

「利用者さんにとって良いものができても、その裏側で働いている人が疲弊していたら、僕は持続可能ではないと思っています。働いている人自身が、『ここで働いていて良かった』と思える状態をつくりたいです」

そして、それが周囲にも伝わっていくことを目指しています。

「アウケアプランセンターで働いているケアマネジャーを見て、『なんか楽しそうだな』『ああいう働き方もあるんだ』『自分もやってみたいな』と思ってもらえる。僕らが、ケアマネジャーにとって一つの希望の象徴みたいな存在になれたらいいと思っています」

だからこそ、採用で大切にしているのは、単に経験が豊富かどうかだけではありません。

「ケアマネジャーは一人でも仕事を完結できる職種だからこそ、僕らはあえてチームでやることを大切にしています。困ったときには頼るし、誰かが困っていたら助ける。もっと良いやり方があれば一緒に変えていく。そういうことを自然に面白がれる人と働きたいです」

アウケアプランセンターは、まだ完成された組織ではありません。
AIを活用した新しい業務の形も、チームとしての働き方も、これから試行錯誤しながらつくっていく段階です。
だからこそ、その過程に参加する面白さがあります。

「すでに完成された環境で働きたいという方より、『ケアマネの仕事って、もっとこうできるんじゃないか』と考えること自体を楽しめる人には、すごく面白いタイミングだと思います。現場で利用者さんと向き合いながら、自分たちの働き方も変えて、最終的には介護業界のケアマネジメントそのものを変えていく。その挑戦を一緒にできる方に、ぜひ加わってもらいたいです」

少しでも興味を持っていただけたら、今すぐ転職を考えていなくても構いません。
実際に事業所を訪れ、働いているメンバーやチームの雰囲気を見ていただくと、アウケアプランセンターが目指しているものを、より感じていただけると思います。

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